孤独な理学療法士の日記

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牛乳を飲む上で知るべき裏の一面

骨を丈夫にするカルシウム源として、牛乳を毎日飲んでいる皆さんへ。

Milk splash

牛乳を飲むことで骨が丈夫になるのか疑問を持ってみる

本当にカルシウム源として牛乳が有効な手段であると自信を持って言えるでしょうか?確かに牛乳はカルシウムが豊富ですが、動物性タンパク質も多く含まれています。そのため人間の体に酸化が起こりやすく、体内でアルカリ性の物質が必要とされます。また、牛乳を飲むことで血中のカルシウム濃度が急激に上昇します。

これらに対処するために骨に貯蔵されているカルシウムが放出され、尿から排泄されます。これは酸化に傾いた体を中性へと戻す必然的な行為です。

ポイント

カルシウムの99%が骨と歯、1%弱は細胞内、わずか0,1%は血液に含まれています。

ミルクパラドックス

カルシウム源として牛乳を飲んでいるにも関わらず、逆に放出されるという奇妙な結果がもたらされます。これを「ミルクパラドックス」と言います。これが問題視された要因は牛乳を多く飲んでいるノルウェーで日本人のおよそ5倍もの骨粗鬆症が発症している調査結果が報告されたことに発します。酪農大国と呼ばれているアメリカやスウェーデン、デンマーク、フィンランドにおいても近年骨粗鬆症による骨折が増加しています。牛乳を飲むことでカルシウムを摂っているはずが、逆に骨を脆くするという結果を招いています。

牛乳を飲む

  ↓

血中のカルシウム濃度が上昇

  ↓

カルシウムが体外へ放出される

  ↓

骨が脆くなる

  ↓

骨折を招く

この悪循環を知ることで牛乳を飲む習慣が本当に骨を丈夫にしているのか?という疑問を抱かざるをえません。

昔の日本

元来、日本人はカルシウム源として小魚や海藻を食べていました。それらは腸で消化・吸収された後にカルシウムとなるため、血中カルシウム濃度が急激に上昇しません。そのためミルクパラドックスが引き起こされることはありませんでした。

dried sardines rinsed and draining

現在の日本では牛乳を飲む習慣が完成されたことで昔とは状況が異なってきたことは確かです。ミルクパラドックスを踏まえると、牛乳を飲むよりも昔の日本人のようにカルシウムが豊富に含まれている豆類や海藻類、魚介類、野菜を食べた方が断然に有効ではないでしょうか?それは動物性タンパク質が引き起こす体の反応を考慮せずに済むからです。

牛乳を飲むとお腹をこわすのメカニズム

牛乳を飲むと下痢をする人が多いです。せっかく食べた物が、体に栄養として吸収される前に体外に排泄されることは非常に勿体無いことです。

牛乳には、哺乳類の母乳に特徴的な糖分であるラクトース(乳糖)が含まれています。これは、体の中でグルコースとガラクトースへと分解されます。そのためにはラクターゼと呼ばれる消化酵素が必要となります。

酵素とは

体を修復するための大工さん的な存在です。エネルギー源を分解して、体に必要なエネルギーへと変換する働きを持っています。

哺乳類の赤ちゃんは生後1年~1年4か月の間、体の中にラクターゼを保有しています。個人によって保有量は異なりますが、年齢を重ねるごとに徐々に減少していきます。生後1年4か月以降はほとんど体の中には無くなります。そんな状態で牛乳を飲むと(ある一定量以上に飲むと)糖分が分解されずに体の中で処理されてしまいます。

アジア人は欧米人と比較すると体の中におけるラクターゼの量が少なく、ラクトースに対する耐性も低いです。特に日本人は体質的に保有している人が多くありません。牛乳を問題なく消化できる日本人は15%しかおらず、85%は不足していると言われています。このため下痢になってしまう人が多いです。そんな自覚症状を感じずに飲み続けると知らず知らずの内に胃腸に負担をかけることになります。

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水分吸収の阻害

大腸は水分を吸収して体中を水分で潤す役割を持っています。小腸→大腸→肛門を通って便は排泄されます。ラクトースが分解されずに大腸まで到達すると水分吸収が阻害され、便の水分量が過剰となります。そうなると下痢として排泄されることが多くなり体内の水分量も減少します。

人間の70%は水分から構成されているので下痢として水分が過剰に排泄されると体内の循環が悪くなります。それが日常的となることは体から見てもかなりのマイナス要因と言えるでしょう。

ヨーグルトやチーズ

同じ乳製品ですが、これらは発酵されています。既にグルコースとガラクトースへ分解されているものが多く(発酵食品の全てではありませんが)、ラクターゼの働きをあまり必要としません。エネルギー源として摂取するのであれば牛乳を飲むよりもヨーグルトやチーズを食べることをおすすめします。

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注意

ヨーグルトを食べる習慣で便秘が解消されたという人がいらっしゃるかもしれません。しかし、ヨーグルトも全てが分解されている訳ではないのでラクターゼ不足により下痢を起こしているという可能性を否定できません。もし、ヨーグルトを食べ続けて便秘が解消されたと思い込んでいる人は一度考えてみて下さい。ただ下痢をしているだけかもしれません。便秘が解消された後でも肌荒れなどの症状が続いているのであれば注意が必要です。無理して食べる必要はありません。

どんな牛乳を飲めばいいのか?

自然放牧

草原で放牧され、牧草だけを食べている牛の牛乳が一番体に優しいとされます。牧場で作られた牛乳を見たことがありますか?それは二層に分離しています。上に脂肪球が浮いていて、下にサラサラとした牛乳があります。しかし、このまま商品化するためには「生産効率が悪いこと」「飲んだ時の食感が良くないこと」を理由に出来立ての牛乳を機械でかき混ぜる作業を行います。

ホモジナイズ

牛から搾乳された牛乳をタンクに入れた後、機械を使ってかき混ぜます。この作業は牛乳に含まれた脂肪分が分離しないように脂肪球を破壊して、牛乳の成分を均等にするために行われます。ホモジナイズにより脂肪球が分解されることで消化・吸収は良くなります。しかし、脂肪の膜で守られていないタンパク質が急激に体内に取り込まれるとお腹をこわしやすくなります。

ポイント

脂肪球は牛乳を覆っているバリアのようなもので細菌から体を守ってくれます。ホモジナイズすることで牛乳の脂肪分と酸素が結びつき過酸化脂質へと変質します。これは体内で活性酸素を作り出し、細胞の遺伝子を破壊、腸内環境の悪化、間接的なアレルギーの原因物質となるなど様々な体への弊害をもたらします。

ノンホモジナイズ

搾乳されたあと必要以上にかき混ぜません。脂肪球を壊していないため胃液や消化酵素の働きによって体の中でゆっくりと消化・吸収を行うことができます。また、脂肪球によってラクトースが覆われていることで牛乳を飲んでもお腹をこわすことが少なくなります。

高温殺菌

日本で作られている牛乳の多くは100℃以上で2~3秒の高温殺菌が行われます。大量生産するためにこの方法がとられています。一部ですが、低温殺菌で牛乳が作られている所もあります。そこでは80℃の温度で15秒位かけて殺菌が行われます。このように手間暇をかけることで牛乳に含まれるタンパク質の変性が起こりません。変性が起きると体の中で悪い物だと認識され、体に拒否反応が起こりアレルギーや病気の原因となります。

終わりに

私が小学生の頃には、給食で毎回牛乳が出ていました。「牛乳はカルシウムが豊富で、骨を丈夫にするので毎日飲みましょう」と言われていました。それが日本の牛乳に対する教育です。幼い頃はなんの疑いもなく牛乳を飲んでいました。そんな環境で育ってきた人は多いのではないでしょうか?質の良い牛乳を少量、かつ嗜む程度に飲むのがちょうどよいのかもしれません。「自然放牧」「ノンホモジナイズ」「低温殺菌」これらのキーワードを元に一度牛乳を選んで、じっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか?

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